ストリートピアノは、世界中で大変人気があります。本記事では、ストリートピアノとは、その歴史、特徴、魅力について詳しく紹介します。
目次
ストリートピアノとは
ストリートピアノとは、公共の場所に設置されたピアノで、誰でも自由に演奏ができるピアノを指します。駅、公園、ショッピングモールなど、さまざまな場所に設置されており、「街中ピアノ」「駅ピアノ」「空港ピアノ」とも呼ばれます。
ストリートピアノは、アクセスの良さと公共性が特徴です。通常のコンサートやライブではなく、気軽に立ち寄って演奏を楽しむことができるため、音楽との距離が縮まります。また、ストリートピアノは年齢や経験に関係なく、誰もが参加できる点も魅力です。
ストリートピアノは、地域コミュニティの活性化にも寄与しています。ピアノを中心に、人々が集まり、コミュニケーションが生まれる為、新たな出会いや友達作りの場にもなります。地域住民が自主的にイベントを開催することもあり、ストリートピアノを活用して地域のつながりを深めることができます。
Play Me, I’m Yours から世界のストリートピアノブームへ
ストリートピアノの始まりは、2008年にイギリスのアーティスト「ルーク・ジェラム – Luke Jerram」が考案したアートプロジェクト「Play Me, I’m Yours – 私に触れて、私を弾いて」です。
このプロジェクトは、イギリスのバーミンガム市に15代のストリートピアノを設置するというものでした。多くの方々が演奏を楽しみ噂が広がったことで、世界中にストリートピアノが設置されるようになりました。
「東京都庁」から日本のストリートピアノブームへ
日本で初めてのストリートピアノは、2011年に鹿児島も一番商店街に設置されました。2013年には、東京都庁がストリートピアノを設置し、注目を浴びたことが日本のストリートピアノブームの火付け役となりました。
その後、全国各地でストリートピアノが設置され、日本独自のストリートピアノ文化が根付いていきました。また、ピアノ演奏を通じて人々が交流できる場として、ストリートピアノは地域活性化にも貢献しました。
2018年には先ほどの「Play Me, I’m Yours – 私に触れて、私を弾いて」が東京の国立にて開催され、2週間で約6万人が参加しました。2019年にはNHK、「駅ピアノ」「空港ピアノ」「街角ピアノ」、というドキュメンタリー番組が始まり、注目を集めました。
2023年に入ると、JR加古川駅のストリートピアノが、ルールやマナーを守らない利用者が相次いだ為、撤去されるというニュースが飛び込みます。これにより、世の中にストリートピアノのマナーが喚起されました。
コロナ禍で消えたストリートピアノ
2020年に始まった新型コロナウイルスの影響で、感染リスクを考慮して多くのストリートピアノが撤去されました。公共の場での演奏が難しくなり、ストリートピアノが一時的に姿を消すことになりました。
コロナ禍を乗り越えたストリートピアノ
コロナが収束し始めると、再びストリートピアノが復活しました。人々の生活に音楽が戻り、都市の風景にストリートピアノが彩りを添えるようになりました。
ストリートピアノの横には消毒液が置かれ、除菌シートで演奏ごとに消毒するという光景も見られました。新たな衛生対策を導入しながら、ストリートピアノは復活しました。
ストリートピアノとYoutube
ストリートピアノとYoutubeは切っても切り離せません。ストリートピアノでのパフォーマンス動画を、多くの人々が共有し、広がっていきました。
また、有名アーティストがストリートピアノでサプライズ演奏を行う動画も話題となり、ストリートピアノの魅力がさらに広まりました。
YouTubeを通じて、ストリートピアノが世界中に届くきっかけとなり、多くの人々がストリートピアノに触れる機会を持つようになりました。
しかし、営利目的のYoutuberがストリートピアノを占領するといった問題が多発した為、適切なストリートピアノ環境とは何か、YoutuberやSNSで話題にあがりました。
ストリートピアノと地域
ストリートピアノは地域のイベントと組み合わせることで、地方創生に貢献します。
例えば、地元のアーティストにより、ストリートピアノの装飾やデザインが行われ、街のランドマークや観光名所として親しまれることがあります。
また、ストリートピアノを活用した屋外コンサートやワークショップが開催され、地元住民や観光客が音楽やアートを楽しみながら交流できる機会も生まれます。これらの取り組みにより、ストリートピアノが地域の魅力向上に一役買っています。
ストリートピアノと音楽活動
ストリートピアノは、ただ楽器を演奏するだけでなく、前述の通り社会的意義も持っています。ストリートピアノが設置された場所では、音楽を通じて人々が交流し、コミュニケーションが生まれることが多くあります。また、ピアノ演奏が苦手な人でも、ストリートピアノを通じて音楽に興味を持ち、楽器に触れる機会が増えました。
音楽教育の面でも貢献しています。無料で気軽に演奏できることから、子どもたちがピアノに触れる機会が増え、音楽への興味が高まりました。
まとめ
「Play Me, I’m Yours」から始まったストリートピアノは、世界中でブームを巻き起こし、東京都庁をはじめとして日本でも人気を集めています。コロナ禍で一時的に姿を消すも、復活し、現在も多くの人々が楽しんでいます。
今後もストリートピアノは、社会的意義を持ち、人と音楽の交差点として、活躍していってほしいと願います。